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タカムラ40

昭和生まれ独身腐女子の華麗にて波乱なる日々のドラマの記録

最近読んだ本

【ダイナー】(平山夢明

平山さんといえば、私は実話怪談『東京伝説』シリーズの大ファンなんですが、

同氏の小説を読んだのはこれが初めて。結論から言うと、すごく面白くて

一気に読んでしまいました。簡単なあらすじはというと

「高給につられて怪しげなアルバイトに手を染めた主人公「オオバカナコ」(※本名)

が、ヤクザだかマフィアだかに売り飛ばされ、会員制ダイナー(食堂)のウェイトレス

として働く羽目になる」というものなんですが、当然ふつうの食堂ではありません。

客となるのは闇の世界に蠢く「殺し屋」の中でも、特にイカれた殺し屋たちで、

今まで何人ものウェイトレスがつまんない理由で惨殺されているという

とんでもない店な訳です。とにかく殺し屋たちの殺しっぷりがえげつない!

しょっぱなから「コンビーフの缶をくるくるっとめくる金属のアレで女の長い爪を

はさんでくるくるっ!爪はもちろん薄い飴みたいにメリメリッ!」とか

ですよ…この一文で具合が悪くなった人は、読まない方がいいですね。

 

しかし非情な残酷描写と裏切り騙し合いばかりが延々と続くわけでもないのが

この作品のニクイところです。食堂の主人を勤める謎の男にして、腕利きの料理人・

ボンベロが見事な手際で作り上げる料理の数々…その美味しそうなことったら!

焼きたての香ばしいバンズ、ガラス細工のようなレタスに瑞々しいトマト、

噛めば噛むほど豊かな旨みと芳醇な肉汁があふれ出すパティ…そしてそのうえ

濃厚なチーズを幾重にも重ね、仕上げに熱々にとろけたチーズをこれまたたっぷり…

てっぺんに再びバンズをのっけて出来上がり。

あ~~もうハンバーガー食べたい!!!この店のハンバーガー食べたいぃぃ!!!!

と、胸を掻き毟りながらのたうちまわりたい衝動をこらえるのが大変でした。

ぐりとぐら」なみに食欲をそそるので、料理のシーンばっかり何回も読み返してま

す。作中に登場する「殺し屋スキンの蜂蜜スフレ」は「ぐりとぐらのたまごかすてら」

に対抗できる一品です。N ●Kの「グレーテルのかまど」で作ってくれないかなぁ。

(絶対無理)

そしてイカれた殺し屋たちが歩んできた人生の理不尽さ、陰惨さ、重い哀しみ。

すこしずつ打ち解けるカナコとボンベロなど、浪花節も利いていてエンターティンメン

ト作品として、とても上質な作品でした。

 

なんとなく作中の雰囲気が『ブラック・ラグーン』のそれと似ていたので、

ロアナプラ版ダイナーとか、誰か描いてくれませんかね…バラライカ姐さんが

おしのびで来たりするの。めっちゃ読みたい…。

 

 

 

 

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